日本のそうめんといえば?日本三大素麺についてご紹介!

夏の暑い日や食欲がない状態でも食べたくなるのが、さらっと食べられるそうめんではないでしょうか。
7月7日の七夕の日に、素麺を食べる習慣があるなど、そうめんは多くの方に愛されている食品です。

その中でも日本三大素麺と呼ばれる3種類のそうめんが非常に有名です。
それぞれのそうめんは特徴も生産地も異なり、食べ比べをしてその違いを楽しむ方が多くおられます。

今回は、日本三大素麺の特徴について詳しく説明します。

□日本三大素麺とは何なのか

そうめんはスーパーなどで簡単に手に入り、調理方法も簡単で保管もできるので、非常に便利な食材ですよね。
夏は毎日のように食べている、という方も多くいらっしゃるかもしれません。

このように、手軽に食べられることから多くの方にとって身近な食材であるそうめんですが、その製造方法や生産地はさまざまです。
その中でも「日本三大素麺」と呼ばれる3種類のそうめんは非常に有名で人気が高いことをご存じでしたでしょうか?

日本三大素麺とは、兵庫県の播州そうめん「揖保乃糸」、奈良県の「三輪そうめん」、香川県の「小豆島そうめん」のことを指します。
これらの3種に共通するのは、そのすべてが「手延べ製法」で作られているという点です。

そもそもそうめんは、小麦粉に水と塩を混ぜたものをこねながら棒状にし、ねじって少しずつのばしていくことで作られます。
そのため、短い時間で強い力をかけ過ぎるとちぎれてしまう恐れがあるのです。

そうめんは製造方法によって呼び方が異なり、機械製麺で作られた「機械そうめん」と手延べ製法で作られた「手延べそうめん」があります。

機械製麺では、製麺機を用いて少しずつ薄い麺帯にのばし、そのあと細く切ってから機械で乾燥させます。
機械製麺で作るそうめんは、のばしが少なく、グルテン組織にばらつきがあります。
そのため、機械製麺した機械そうめんは手延べそうめんと比較すると、味が少し劣ると言えるでしょう。

一方、手延べ製法で作られる「手延べそうめん」は、伸ばす際に油を使用し、のばしては熟成するという手間ひまをかけた工程を繰り返し作られます。
職人の経験と勘を頼りにする製法です。
常に一定方向に生地をのばしていくので、グルテン組織にばらつきがありません。
そのため、機械で作るそうめんよりも細く、のどごしの良いそうめんに仕上がるのです。

このような手延べ製法で作られた日本三大素麺ですが、味や歯ごたえに微妙な差があります。
次に、そちらを詳しくご紹介していきます。

□日本三大素麺のそれぞれの特徴とは

日本三大素麺である兵庫県の播州そうめん「揖保乃糸」、奈良県の「三輪そうめん」、香川県の「小豆島そうめん」のそれぞれの特徴について詳しく説明します。

*兵庫県の播州そうめん「揖保乃糸」

揖保乃糸は、兵庫県たつの市で作られているそうめんです。
500年の歴史を有しており、日本で最も人気のそうめんだと言っても過言ではありません。

「揖保乃糸」は、兵庫県手延素麺協同組合が打ち出しているそうめんで、10月から翌年の5月までしか生産されません。
厳選した小麦と赤穂の塩を原材料として使用し、長年に渡って受け継がれてきた独自の伝統技法で作られています。

独自のコシや歯ごたえがありながら舌触りはなめらかで、ゆで伸びしにくいという特徴があります。
また、使用される小麦の質や製造時期などによっていくつかの等級があります。
贈り物としても非常に喜ばれる一品ですので、ご親族や友人の方への贈り物に悩まれた際は、こちらを選んでみると良いかもしれませんね。

ちなみに、兵庫県の郷土料理の1つに、「鯛そうめん」というものがあります。
結婚式や誕生日などの特別な日のごちそうとして食べられる料理で、鯛の塩焼きとそうめんを盛りつけた料理のことです。

*奈良県の「三輪そうめん」

そうめん発祥の地と言われている奈良県桜井市の三輪地方を中心に生産されているのが、三輪そうめんです。

その歴史は、1200年近くまでさかのぼると言われています。
奈良時代の遣唐使によって、小麦栽培や製麺方法が伝えられたそうで、歴史の深いそうめんです。
三輪地方では、毎年2月に大神神社で、そうめんの相場を決めるための卜定祭(ぼくじょうさい)が開催されるそうです。

そのような、歴史の深いそうめん生産地である三輪地方で作られる三輪そうめんは、「細きこと糸のごとく白きこと雪のごとし」と言われており、その細さと強いコシが魅力のそうめんです。
三輪そうめんも4つの等級に分けられており、細ければ細いほど等級が高くなります。

また、煮崩れしにくいという特徴も有しているので、にゅうめんや炒め物にするのもおすすめのそうめんです。
とくに、にゅうめんは奈良県の郷土料理として有名です。
そうめんは、夏は冷やしてさっぱりと、冬は温めてにゅうめんに、というように年中食されています。

*香川県の「小豆島そうめん」

瀬戸内海にあるオリーブで有名な小豆島で作られているのが小豆島そうめんで、讃岐うどんの祖先だとも言われています。

実は、小豆島そうめんの起源には、同じく日本三大素麺である三輪そうめんが関係していると言われています。
約400年前に伊勢参りに行った島民が、三輪そうめんの作り方を学び、小豆島独自のそうめんを作り始めたそうです。
温暖な気候の小豆島は小麦の栽培に適した環境なので、オリーブと同じように、小豆島そうめんも小豆島の名産品としてその名を知られるようになりました。

極寒の12月と1月の期間に天日干しをすることで、熟練の生産者により限定生産されています。
このような起源を持つ小豆島そうめんの最大の特徴は、ごま油の風味です。
麺をのばす際に、ごま油を使用しているので、独特の風味があるのです。
そのため、ほんのり黄色がかった色をしており、口に入れるとごま油の風味が口いっぱいに広がります。

小豆島の郷土料理の1つに「ふしめん」というものがあります。
そうめんを製造した際にできる端っこの部分、「ふし」を有効活用した料理で、お吸い物として食べられるようです。

このように、日本三大素麺である兵庫県の播州そうめん「揖保乃糸」、奈良県の「三輪そうめん」、香川県の「小豆島そうめん」は、それぞれ生産地も特徴も大きく異なります。
それぞれに異なる特徴があるので、一概にどれが一番おいしいとは言えず、好みの問題になります。
ただ、今回の説明を参考に、3種類のそうめんの食べ比べをしてみて、どのそうめんが、またはどの食べ方が一番好みなのかを考えてみると楽しいかもしれませんね。

当社では、日本三大素麺の1つである小豆島そうめんの中でもとくに高品質な黒帯の「島の光」を取り扱っております。
黒帯の小豆島そうめんは、全体の2割程度しか生産されておらず、契約分がなくなってしまうと、その年の分は完売になってしまう非常に貴重な商品です。
日本三大素麺の食べ比べをするにあたって、まずはこちらから試してみてはいかがでしょうか。

□まとめ

今回は、日本三大素麺について説明しました。
日本三大素麺とは、兵庫県の播州そうめん「揖保乃糸」、奈良県の「三輪そうめん」、香川県の「小豆島そうめん」のことです。
舌触りの滑らかさが特徴の播州そうめん「揖保乃糸」、強いコシがあり、にゅうめんとしても楽しめる「三輪そうめん」、そして独特の風味が広がる「小豆島そうめん」、それぞれの特徴を踏まえつつ、お好みのそうめんを楽しんでみてはいかがでしょうか。