新之助というお米を知っていますか。
このお米は新潟で生まれた新ブランドです。
大粒で甘味があるのが特徴で、懐石料理やイタリアンのお店でも使用されています。
新之助はこのように普通のお米とは違い、たくさんの魅力があるお米です。
そのような高級イメージのある新之助について、今回はご紹介していきます。
□お米の歴史を紐解いてみよう
*新之助の開発を始めた過程とは?
お米一つ一つのブランドに深い歴史があり、新之助にも研究・開発の歴史があります。
実はこのお米は2017年に販売が開始されたのですが、新潟の米研究120周年を記念して作られた品種でもありました。
そのため今までの研究の集大成として新之助は誕生したのです。
新之助の歴史を語る前に、新潟のお米事情について少し解説します。
新潟と言えばどんな品種を思い浮かべますか。
「コシヒカリ」を思い浮かべた方が多いのではないかと思います。
「魚沼産コシヒカリ」が良く知られているように、新潟はコシヒカリのイメージが強いでしょう。
実際もそのような状況で、新潟県の生産者の7割がコシヒカリを生産しています。
では、なぜこんなにもみんながコシヒカリを生産するのでしょうか。
これには、「コシヒカリを作っておけば安心だ」という生産者の考えが影響しています。
市場価格が高く、収穫量も多いコシヒカリは、生産者にとって魅力だったというわけです。
ここまでの話だと、このまま栽培をし続けても新潟県は潤うように思われます。
しかし、ある問題が生じていました。
それは、あまりに多くの生産者がコシヒカリを作りすぎているため、天候の影響でコシヒカリの栽培に影響が出ると、新潟県一帯の生産者が打撃を受けるというものでした。
特に心配されたのが温暖化への影響です。
温暖化による気温上昇にコシヒカリという古くからある品種としては耐えきれないため、暑さに強いお米を開発する必要がありました。
そのため、コシヒカリの収穫時期とは異なる時期に収穫される、早生品種や晩生品種の開発がすすめられました。
また、消費者側でもう一つの問題が生じていたのですが、何かわかるでしょうか?
これは、消費者のお米離れです。
食のニーズの多様化に対応するような、コシヒカリとは異なる味わいを持ったお米を開発する必要性が出てきたのです。
*新之助の味が誕生するまで
まず、新潟県はコシヒカリとは異なる時期に収穫されるお米の開発を始めました。
そこで作られたのが、早生品種である「こしいぶき」です。
早生品種は、いままでコシヒカリよりも味が劣ると言われてきました。
しかし、この「こしいぶき」はコシヒカリと同レベルの味を実現したとして、農家の間で生産が広がり、平成26年度産の全国の品種別作付割合で10位を獲得しました。
早生品種の開発が成功したならこれ以上開発を続ける必要はあるのか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。
注目していただきたいのが、食のニーズの多様化という点です。
新潟県はコシヒカリとは違ったおいしさを持つお米を開発する必要がありました。
また、温暖化にも対応できるような強い品種である必要もありました。
そこではじまったのが、暑さに強く晩生品種でコシヒカリとは違ったおいしさを持つ「新之助」の開発です。
驚くことに新之助の開発は、500種のお米を掛け合わせ、20万株の候補株を選定するところから始まりました。
株の一つ一つを炊き、まずは米の輝きが良いものを選んでいったそうです。
輝き基準をクリアした株たちは、食味検査のためにより多くの量が栽培されます。
性質を安定させるために5年の育成を行い、毎年食味検査を行った結果、新潟75号と北陸190号の交配から「新之助」が誕生しました。
この開発は2008年から始まっているので、誕生まで9年の年月がかかっています。
研究者の渾身の思いが伝わりますね。
また、開発途中の2010年は、猛暑だったそうです。
しかし新之助はその暑さに負けることなく、おいしいお米を生産できました。
ちなみに新之助の「新」には、新しいという意味と新潟の意味が込められています。
□新之助はどういう味?特徴をご紹介します!
*見た目と味の特徴とは?
大粒で、粒ぞろいという見た目をしています。
また、開発過程の話でご紹介した通り、はじめが見た目で選別されているので、美しい輝きとつやがあります。
お米の指標の一つに千粒の重さを測るものがあるのですが、新之助はどれくらいの重さだと思いますか。
なんと、23.6グラムもあるのです。
この数値は他県の品種より重めの数値になっています。
一粒一粒が大きいことがわかりますね。
次に、味について見ていきましょう。
味は、総合的にとても高い、という特徴があります。
総合的にとはどういうこと、と思われた方が多いでしょう。
実は、コク、味の厚み、濃さ・ボディ感、旨味、甘味すべてにおいて平均よりも高い評価をもらっています。
さらにコシヒカリと比べても、外観、香り、味、粘り、硬さ、そして総合評価の全てでより高い評価になっているのです。
*味や見た目だけではない!新之助が誇る特徴とは!?
新之助の強みは、味や見た目以外にもあります。
現在の食のニーズの一つに、時間をおいてもおいしい、というものがあります。
料理の個食が進んでいる現在、料理の作り手と食べ手が全員同時に食べるという状況は少なくなってきているのではないでしょうか。
ご飯をお茶碗に盛り、ラップをして1時間程度置いている食卓を想像してください。
だんだんご飯の表面が乾燥していくのがイメージできると思います。
新之助はこの悩みを解消しました。
ご飯を放置していても、硬い食感になりにくいという特徴を持つのです。
また、最近は多くの場所で夏は35度を超えますよね。
しかしお米を常温保存していると、高温時に米が傷みやすいという問題がありました。
この問題も新之助は解決しています。
高温下での長期保存を行っても、傷みにくいため、新米本来の味が損なわれません。
つまり、お米が劣化しにくいのですね。
新之助はこのような食ニーズや外部環境の変化に対応するような特徴も持ち合わせているのです。
□おいしいお米の炊き方をご紹介!
最後に、おいしいお米の炊き方を2点に絞ってご紹介いたします。
1点目は、お米を研ぐときに軽く混ぜるということです。
汚れを落とすためにしっかり洗う方もいらっしゃると思いますが、お米を傷めてしまいます。
昔はお米の糠が取れていない粒が多かったため、洗米を丁寧に行い糠を取る必要がありました。
糠は炊いた際ににおいがするので取る必要があったというわけです。
しかし現在は精米技術が向上し、糠が残っているお米が少なくなっています。
そのため汚れやにおいが取れないのではないかという心配は必要ありません。
方法は指を立てた状態で10回軽く回し、水を捨てる作業を3回程度繰り返すだけで大丈夫です。
2点目は、炊けたときにシャリ切りをすぐに行うということです。
炊けた合図がしたら、すぐにしゃもじでかき混ぜましょう。
そのときは、お米をつぶさないように底からかき回すのがポイントです。
これを行うことで余分な蒸気を炊飯器の外に逃し、ふっくらしたお米を保てます。
他にもポイントはありますが、これらを押さえるだけでも新之助の粒の特徴を損なわないご飯ができ上がります。
生産者はおいしいお米を作りますが、炊き方が悪いとそのおいしさが半減してしまいます。
おいしいお米を100%味わうためにもこれらのポイントをぜひ挑戦してみてくださいね。
□まとめ
新之助についてご理解いただけたでしょうか。
このようなお米が誕生するまでに新潟で深い歴史があったなんて驚きですね。
研究者が渾身の思いで作ったお米を食べてみたくなったという方は多いと思います。
お米のくりやでは、新之助のお米を販売しております。
ぜひ「お米のくりや」HPをご覧ください。
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